三国志【35】〜【37】/ 横山光輝

 さてさて、めでたく蜀を治めることになった劉備玄徳。

ひとりぽっちで逃げる羽目になった時にはどうなることかと思ったが、良かった良かった。

そうすると、曹操にとっては、面白くない。

しかし、ここは劉備を警戒して後に回し、まずは赤壁の戦いの屈辱を晴らそうと、呉を相手に兵を出すんだけど、どうも埒が明かない。

アヒルの羽を兜に着けて味方である事を明確にし、たったの100騎で夜襲をかけるという作戦に、夜襲をかけられた方は混乱し、味方同士で撃ち合ってしまい大打撃を被る。

おまけに短時間で引き上げた事で、罠を疑った相手は追撃も出来ずに終わるという、面白い作戦もあった。

しかし結局、魏も呉も疲れ果て、ついに孫権が出した和睦案に曹操も同意して、一旦、戦をやめることになった。

ここまで来ると、どこの国も強く、一筋縄では行かなくなって、キビシイ戦になってしまうのね。

相手の大将の部下を裏切らせてまんまと勝たせてもらいながら、その後は、その部下を「将を裏切る奴は信用ならない」とあっさり首切りしてしまうのも、気の毒ではあるけど信用は出来ないわねえと、思ったり。

戦国の世は大変だわ。

でも一つ言えることは、ブレてはダメってことかな。

自分の信念で生き抜けば、たとえ、首を刎ねられても、後悔はないもんね。



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Maira Gall