三国志【25】〜【26】/ 横山光輝

 戦には、力でするものと、謀でするものがあるらしい。

私が思うに、謀なしでする戦ってどうよ?って思うのだけれど、戦力に差があれば力ずくもありってことかな。

で、なぜこの三国志の冒頭(第20巻くらいまで)が面白くないのかがわかった。

それまで、力ずくの戦いばかりだったからだ。

ただただ、矢が刺さり、切り裂かれ、首が飛び、死体の広がる光景ばかり。

だがそこに軍師が登場して俄然、話が面白くなる。

謀の戦いになったからだ。

劉備玄徳の軍師・諸葛亮(孔明)は気候から人の気持ちまで何でもお見通しで、すごい。

すご過ぎるものだから、「赤壁の戦い」で曹操を追い詰める計を授けてやったにも関わらず、呉の海軍大将・周瑜から「孔明を生かしておけない」と何度も命を狙われてしまう。

まあ、1枚も2枚も上手の孔明はするりと逃げ果(おお)せるから、また、面白いわけなんだけど。




© いろはに・ぶっく
Maira Gall