三国志【27】〜【29】/ 横山光輝

 これまで読んできて、なぜこの三国志が今ひとつ面白くないのか、薄々わかったことがある。

それは、それぞれの武将のキャラクターが曖昧なこと。

顔や風貌、セリフに至るまで、特徴がない。

登場人物が多すぎるし、服装も現代のように多様ではなく、鎧着用シーンも多いので、仕方がないのかもしれないが。

それにしても、セリフはもう少し工夫があってもよくないか?

特に戦のシーンはひどい。

「わわわっ」(慌てて逃げる時)

「命の惜しくない奴はかかってこい!」(力自慢の人)

この二つは頻出セリフ。

しかも、いろんな人が同じことを言う。

そのせいで、各武将の魅力が全く伝わらない。

個性があるのは、張飛、関羽、玄徳、孔明くらいかな。

あと気になるのは、各大将に威厳がないこと。

敵から逃げる時に「わわわっ」と言うのはどうなの?

部下が「ここは私が食い止めます。大将はお脱げ下さいっ」と体を張ってくれているのだから、

「すまぬが頼んだぞ!」とか、

「よし!ここは任せた!」とか、

他に言いようがあるだろう?

その割に、自分の城では大威張りだし、気に食わない事や部下にミスがあるとすぐに「こ奴の首を刎ねろ!」だもんなあ。

とても短絡的。

顔を真っ赤にして激昂する大将をなだめすかす側近の部下というシーンが頻繁にある。

大将の中では劉備玄徳はひとりキャラクターが際立っていたが、第29巻では孫権の「酒と女におぼれさせる作戦」にハマっていて、なんだよ、ただの男じゃんってちょっとガッカリ。笑

まあ、それも、孔明の手助けで何とか乗り切るのだけど。

三国志は、孔明が主人公なの?

私はまったく予備知識がないまま読んでいるので、見当違いなことを言っているかもしれないが、素人の感想文ということで。

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Maira Gall