以前に読んでなかったっけ?
映画を見ただけだっけ?
記憶が定かじゃあないのだが、今回読もうと思ったきっかけが、NHKプレミアムドラマ。
映画とは違って、もう一人の編集部員・岸辺みどり(池田エライザ)が主人公である。
岸辺の生い立ちや、編集部員としての成長や、製紙会社営業マン宮本(矢本悠馬)との絆が丁寧に描かれていてとても良かった。
正直言うと『舟を編む』の中で岸辺みどりという登場人物は印象になかったので、新しいキャラかと思ったが、今回原作を読んでみたらばきちんと存在していたし、Wikipediaで調べたら映画では黒木華さんが演じていた。
たぶん、映画だけ見て原作は読まず、スポットの当たらない脇役の岸辺みどりは私の頭の中からスッポリ抜け落ちたのだと思う。
映画よりも断然、今回のNHKドラマの方が良かった。
保存版にしたいくらいに、だ。
全10話のドラマだから、2時間そこそこの映画より丁寧に描くことができるので、当然かもしれない。
さらに言えば、原作よりもNHKドラマの方が良いくらいだった。
たぶん原作は、辞書編纂ということにスポットを当てているが、ドラマではその中のひとりにスポットを当て、ヒューマンドラマになっているから感情移入できたのだ。
脚本と役者さんたちの力も大きいのだろう。
なんだか、ドラマの感想になってしまったが、本書ももちろん良かった。
こんなふうにして辞書って作られるのだなあとわかったし、辞書となる用紙もこんなにこだわりがあるのだねって驚いたし、確かにあの薄い紙は、すごい。
「ぬめり感」というのも、そうか〜って感心した。
三浦しおんさんには、スピンオフで登場人物それぞれを主人公にした小説を書いてみて欲しいかな。
そうそう、原作を読んで思ったのは、馬締光也の妻・林香具矢役は、映画の宮崎あおいさんより、ドラマの美村里江さんの方がイメージかな♪