諸葛亮(上・下)/ 宮城谷昌光


 

三国志の漫画を読んで、軍師・諸葛亮に興味が湧いて探すうちに見つけたこの本。
作者があとがきで書いているように諸葛亮は、通俗小説『三国志演義』でスーパーヒーローに仕立て上げられたらしく、正史『三国志』とは少し違うらしい。
横山光輝の漫画は正史が基本だったような気がするけれど、それでも大活躍だった。
それに比べてこの『諸葛亮』は、やっぱりちょっと物足りない。
「実像から遠くないところで小説を書きたい」という作者なので、これが諸葛亮の本来の姿なのかもしれないね。子ども時代や、叔父・諸葛玄と別れるところまでは「諸葛亮の小説」っていう感じだったけれど、その後はあまり孔明にスポットが当たっておらず、三国志を読んでいるようなもの?という気持ちになった。

しかし漫画には出てこなかった、妻や子(実子、養子)がいたことや、自身は両親を早くに亡くしていたこと、諸葛玄の勤務先で知り合った岱(たい)と生涯信頼できる関係であったこと、街亭の戦いでの馬謖(ばしょく)への期待感からの無念な想いなどを知ることができてよかった。



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