2024/10/12

木曜日にはココアを/青山美智子

 





12編の短編集。

それぞれの物語の主人公が、リレーのようにつながっている。

ひとつひとつの物語は、とても優しく静かに進む。

小説を書く上での、作者・青山さんの決め事は、物語の中で人を死なせないことだそうだ。

だからなのか、この全体的なオブラートに包んだような雰囲気は。

かと言って、幻想的なのではなく、そうだなあ、眠っている時に見る「夢」のような、現実にありそうな出来事だけど現実ではない、みたいな。

なんだか上手く言えない。


青山さんの小説は、中学入試問題に使用されることが多いと聞いて、なんとなくわかる気がした。

平易な文章の中にいろいろ含まれているものが多くて、小学生に出題するのにピッタリだ。

でも、大人の私、いや、ひねくれた私が読むと、少々説教くさいというか、正論過ぎるというか…

本の構成も作り過ぎで、カッチリ型にハマった感じがする。


一つ一つ短いからテンポ良く読めるし、読後感も悪くはないけど、今一歩、私の心には響かなかった。

青山さんにとってはこの本がデビュー作なので、そのうち、もう少し最近の物語も読んでみようか。

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Maira Gall